松平不昧｜島根の名所と名産

松平不昧は、出雲松江藩の七代藩主で、名を治郷（はるさと）といいました。
人格者として人々から支持され、誰に対しても平等に接したことから、『不昧公（ふまいこう）』と呼ばれていたと言われています。
不昧公と親しみを込めて呼ばれることの多いお殿様なのですが、「不昧」は号で本名ではありません。
江戸時代後期の大名茶人として知られています。
号はほかに斗門、蘭室、笠沢（りゅうたく）など多数。

6代藩主・松平宗衍（むねのぶ）の子として生まれ、父が隠居すると家督を継ぎ7代藩主となっています。
当時の松江藩は財政が破綻していて、「おそらく藩は滅亡するであろう」と噂されるほどの惨状にあったそうです。
そこで不昧は家老・朝日丹波茂保（しげやす）を右腕として、藩政改革に着手しています。
積極的な農業政策や川の開削や砂防など治水工事を行って新田を増やし、木綿や朝鮮人参・楮・𥽜などの商品価値の高い特産品を栽培したのです。
特に大根島で生産された朝鮮人参は、国外に輸出できるほどになり、藩の大きな収入源となったそうです。

砂鉄の国産を奨励したり、漆芸や陶芸などの工芸を振興したうえで名工の育成に努め、また廻船運輸を盛んにする等で財政再建を試み、藩の財政改革は成功することになります。

藩主としての務めを果たしながら、茶道を究めて名物茶器の収集を行い、さらに茶道具の研究成果を著作としてあらわし、不昧流茶道の祖となった人物です。
不昧は松江市殿町にある松江神社に主祭神として祀られています。

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松江三大銘菓

不昧公は、茶人としては類稀なる才能の持ち主で当代きっての茶人としてその名は広く知られました。
不昧の収集した茶器や和菓子などは「不昧公好み」として現代まで伝わっています。

松江三大銘菓とは、若草、山川、菜種の里のことです。
不昧公によって命名された御菓子で、不昧公が詠まれた御歌にもなっています。
松江にはこれらの御菓子をいくつかの和菓子店がそれぞれに作っています。
特に日本を代表する菓子処として知られる松江では、江戸から伝わる伝統的な和菓子の数々を、当時の製法のまま現代にも残し続けているのです。

若草
「若草」と呼ばれる菓子は、若草色の寒梅粉をまぶした薄緑色が印象的な求肥（ぎゅうひ）になります。
柔らかな個体の外側には、砂糖入りの寒梅粉がふんだんにまぶしてあり、見た目にも「若草」を連想させる美しいお菓子。「若草」の「もっちり弾力のある歯ごたえ」は、奥出雲で生産されているもち米を、自社の石うすで風味を失わないよう必要な分だけ水挽きするなど、細部まで繊細に作りこまれて生まれたものです。
そぼろの下には、もっちりと弾力のある求肥がはいっており、老若男女問わず誰もが親しみを覚える味わいです。

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菜種の里
寒梅粉と砂糖を使いしっとりと仕上げた菜の花色の落雁。焙じた玄米を散らしています。
クチナシで黄色く染まったその様子は菜畑を連想させ、表面に埋め込まれた白い炒り米は白い蝶が飛び交う様子を表現しているのだそうです。
春の菜の花畑を蝶が舞うさまを表現しています。
旬を迎える春はもちろん、一年を通して人気があります♪

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山川
和三盆を使った、しっとりとした紅白一対の落雁。
赤で紅葉の山を、白で川の水を表しています。
ちぎって食べるのが特徴。
口の中でふんわりと溶けるような繊細な口どけが印象的です。
しっとりとした口当たりで上品な甘みは後味もよく、抹茶の旨味を存分に引き出してくれるでしょう。
茶席の菓子にはもちろんのこと、紅白の2色が揃っていて慶事のギフトなど幅広いシーンで喜ばれる一品☆彡

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