島根県松江市は京都・金沢と並んで、日本三大和菓子処として知られています。
それと同時に、お茶の消費量が高いことで有名で江戸時代から続くお茶処でもあります。
これも大名茶人であった松江藩松平家 7 代藩主・松平治郷 (不昧公) が茶道「不昧流」を広めさせたことで、茶の湯文化が浸透したと言われています。
不昧公が愛した器や和菓子は「不昧公御好み」として、現代の松江にも受け継がれています。
・・・なので、松江には作法にこだわらず、抹茶を日常的にたしなむ風習が定着しているのです。
お茶といえば、関東では煎茶やほうじ茶などを思い浮かべるでしょうけど、松江では抹茶がスタンダード
敷居の高いイメージのある抹茶が、この町ではカジュアルに楽しめるでしょう。
出雲地方もその流れを受け、生活の中に喫茶習慣が強く根付いています。
食事の時はもちろんですけど、10時や3時の休憩時、朝起きた時から寝るまで・・・1日に何度も家族や仲間で集まってお茶を飲むので、お茶請けも甘いお菓子だけでなく、漬物や煮物・果物など様々な美味しいものがテーブルに並ぶのでした。

茶文化を感じる

松江が「茶処」と称されるのは、松平家7代藩主松平治郷(不昧公)の功績が大きいでしょう。
茶道を家臣に定着させただけでなく、陶器や漆器・木工・茶菓子などの職人を地元で育成しました。
不昧公は、藩主としても当時破綻しかけていた藩の財政を立て直すなど、様々な功績を残した名君でもあります。
松江藩主として治世にあたるとともに、文化的な活動を介して広い人脈をもち、とりわけ茶の湯には造詣が深くて、江戸時代後期を代表する大名茶人として大きな足跡を残されているのです。
松江市内には不昧公によって築かれた茶室が今なお残っていて、当時の面影を残す松江の風景の一部として大切に扱われています。
美しい庭園が見渡せる喫茶室をはじめ、不昧公ゆかりの寺や茶室など、香り高い抹茶と見た目にも美しい和菓子を美しい景色を眺めながら、じっくり味わう一時を過ごすことができると思います。

松江城では京都、金沢と並ぶ日本三大茶会の1つである「秋の松江城大茶会」が開催されており、多くの市民がお茶と和菓子を楽しんでいます。
気取らず・作法にとらわれず、松江市には「おもてなし」としてお客さんに「お抹茶」をふるまう習慣が未だ根付いているのですね。
喫茶店でもメニューに抹茶があるほど、暮らしの中に茶の湯文化が息づいています。
お茶にはカテキンやビタミンC、ポリフェノールも含まれているので、美肌をめざす方にこそお勧めしたい飲み物です。
市内には抹茶を飲めるカフェもいくつかあるので、いつもはコーヒー・紅茶派の方も、出雲地方に来たならぜひ抹茶でティータームを持ってみてはいかがでしょう♪