雲南市

雲南(うんなん)市は、島根県の東部に位置する市で、大東町・加茂町・木次町・三刀屋町・吉田村・掛合町の6町村が合併して平成16年11月1日に誕生しました。
市名は令制国の出雲国南部に位置することに由来するそうです。
松江市、出雲市、安来市、飯南町、奥出雲町と隣接し、南部は広島県庄原市に隣接していて、総面積は553.4km2で島根県の総面積の8.3%を占め、その大半が林野となっています。
市内には、斐伊川本流と支流の赤川、三刀屋川、久野川、その支流である阿用川、吉田川などが流れています。 中山間地域ならではの豊かな自然環境に囲まれているので、桜や今では珍しい蛍が息づく自然と市民の生活が融合した町づくりや、地域資源を活かした温泉施設・観光施設などが整備され、水と緑が醸し出すうるおいのある静かで穏やかな印象をもった美しい地域です。
雲南市は、県都である松江市と出雲市の南に隣接しているので、通勤や通学や商圏など・・・社会的および経済的に大きなつながりがあります。
また、平成26年度に中国横断自動車道尾道松江線が全線開通し、新たに山陽、四国方面と高速道路で結ばれ、産業や観光の分野において、さらなる交流の促進が期待されているのです。
有機農業の取り組みも盛んで、新鮮で安全な農産物や食材が豊富に生産されています。また、県内有数の製造業の集積地であり、商業集積もすすむなど地域の雇用を支えています。

個性溢れる歴史と文化

雲南市は、ヤマタノオロチ退治を中心とした出雲神話の舞台であるとともに、国宝に指定された銅鐸やたたら製鉄など、地域特有の歴史や文化をもつ地域です。
有名なのが出雲空港から約40分の「よしだむら」で、かつての「吉田村」、現在の島根県雲南市吉田町を指しています。「よしだむら」は、和鉄の生産地として栄えてきた地で、人々の生活も鉄づくりとともに営まれてきました。
ちなみに、フラッシュアニメ『秘密結社鷹の爪』のキャラクター「吉田くん」の故郷は「よしだむら」で、「吉田くん」は雲南市の特別住民票も持っているのだとか。
日本独特の鉄づくりの製法を「たたら製鉄」といって、「よしだむら」では、たたら製鉄が7世紀後半から8世紀初頭に始まったといわれ、明治時代の産業革命を期に近代製鉄が盛んになる前までは、日本で生産される鉄のうち80%を占めていました。そんな日本を支えたたたら製鉄は「奥出國たたら風土記」として安来市・奥出雲町と共に2016年から日本遺産認定とされています。
そんな、たたら製鉄の歴史が残る雲南市の中の掛合町には「八重滝」と共に「龍頭が滝」という「日本の滝100選」に選ばれている人気スポットも☆彡
※宮崎駿監督のアニメ『もののけ姫』には「たたら場」が物語のカギを握る重要な場所として登場しますが、このモデルになったのは「菅谷たたら」といわれています。
縁結びのパワースポットと知られている須我神社は出雲国神仏霊場の一つで、八岐大蛇を退治した後にスサノヲノミコトが建てたお宮が須賀神社の元になったものと伝えられていました。肥河上(現斐伊川)でスサノヲノミコトは八岐大蛇を退治し、自分の住む社を求めてこの須賀にやってきたと伝承が残っています。
その際「私の心は、この地に来て清々しい」と言い、この地は須我といわれるようになりました。ご神徳、良縁成就、夫婦円満、子授・安産にご利益があるとされています。
また、農村景観や神楽、囃子など、暮らしに根ざした農村文化が豊富であり、日本のふるさとの原点ともいうべき歴史・文化が息づいているのです。